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【壱】
此の日の店内は、特別に静かだった。
そして、カウンター席に腰を掛ける二人の男女に依り沿う様に、楽曲も湿やかなクラシック曲と来ている。
客や店員も、此から店内で起こる出来事に合わせたかの様に、誰も何も、話そうとせず、
静かに御酒に口を付けるのみ。
けれど、僕の頭の中は隣の彼女と話をする事で一杯で在り、此の日の為に練って来た計画を如何に実行するか? 亦、此の日の為に高額を支払ってやっとの思いで入手した秘密兵器を、何時使うか?
計画と言う物は常に上手く行くとは限らないが、今回ばかりは、是が非でも、成功させたかった。
端から視れば子供じみた計画かも知れないが、今から其れを遣ろうとする僕は至って真剣だ。
誰でも知ってる言葉遊び、
『尻取り』で在る。
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