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再び目を覚ましたときには
隣にいたはずの薫の姿が無かった。
今日も出勤日である。
着替えに戻ったのだろうと
思っていたときだった。
寝室のドアが開く。
「あ、起きましたか」
なんでいるの、とばかりに
目をぱちぱちしていると
ふわりと笑って見せた。
「着替え持って来ていたので
今日はここから会社に行きます。」
「そうか。
いま何時?俺も用意―――」
そう言って
起きあがろうと
したとき、薫に阻止された。
「まだ完全に
治りきってないでしょ。
今日はまだ寝ていてください。」
でも、と反論しようとすると
でもじゃない、と遮られる。
「今日仕事して、
また熱が出ても大変でしょ。」
心配なの、と言う薫に
わかった、と返事をした。
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