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5年前
ヴェレンスティア大陸の北側に属する帝国
ガナム帝国にて、一人の少年が帝国の住人を次々殺していくという事件が起きた。
それは、まさしく地獄絵図と呼ぶに相応しい物だった。
少年が歩く先には悲鳴が沸き起こり、少年が歩いた後には夥(おびただ)しい死体。
少年は襲いかかってくる者、逃げ惑う者、恐怖に打ちひしがれる者ですらお構いなしに手にかける。
人々は少年を恐れ、こう呼ぶ・・・【死神】と
【死神】により、帝国は壊滅状態に陥った。
今、他国に侵略されば、一夜とも経たずに墜ちてしまう。
しかし、その心配は唐突に終わる。
「帝国軍の若い魔導師が【死神】を捕らえた・・・」
そんな噂があっと言う間に帝国中に広がり、帝国のほとんどの民が、わが国を揺るがした【死神】に一目見るために、連行される姿を拝みに行った。
そこには、大人しく手に枷をはめ、足に鉄球の重りをつけ、連行される【死神】の姿・・・
【死神】は帝国軍に連行され、広場で公開の処刑が行われた。
こうして、ガナム帝国を襲った数日の悪夢は幕を閉じる。
あの【死神】と一騎打ちをし、勝利した若き帝国の兵士はすっかり英雄視され、未来永劫、名を残すであろう・・・
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