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あれから5年・・・
ガナム帝国はかつての落ち着きと平和を取り戻していたかのように思えていた・・・
しかし、ガナム帝国にある牢獄に、やつ・・・【死神】は存在していた。
窓すらない、外部と隔てた暗闇の牢屋に、【死神】は捕らえられていた。
重い金属の扉が開く音がし、かすかな光が暗闇の空間を照らしていく。
「【死神】君、調子はどうだい?」
かすかに光に反射する金髪が最初に目に飛び込んできた。
「英雄様が何のようだ」
【死神】の声が暗闇から出てきた。
「君にお願いがあってね」
「素直に応じると?」
「思わないさ、けど、君は応じるしかない」
英雄と呼ばれた青年は【死神】のいる牢屋の電気をつける。
眩しい光が【死神】の瞳に襲いかかり、目を閉じる。
しばらくして、ゆっくりと瞳を開ける。
「久し振りだね、【死神】」
二人の姿が露わになる。
金髪の青年は銀色に輝く鎧を身につけ、黄金の剣を腰にぶら下げている。
顔は美青年と呼ぶに相応しいほど整っていた。
対する【死神】は長い時を牢屋の中に閉じ込められていた為、汚くなった黒髪が顔を隠していた。
だが、時折髪の隙間から覗かせる金色の
瞳が美青年をしっかり見据えていた。
「君に仕事を頼みたい」
「断る」
英雄と呼ばれた青年は微かに笑みを浮かばせる。
「仕事を引き受けてくれたら、自由と罪の清算がもれなくついてくるけど?」
「・・・」
【死神】は何も答えない
何も答えない【死神】に痺れを切らした英雄は【死神】のすぐ近くまで近寄り、肩に手を置く。
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