第1章

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「ふぅん、転入生か。珍しいな」 興味があるのか、資料を覗いてくる 転入生の話題のおかげで先程の喧嘩はすっかり止んでしまった 「そうだな。5月に来るなんて変な話だ。」 今は5月の中旬だ ということは、新しい学校で問題を起こしたか 親の事情って奴か 「でもまぁ、俺たちには関係ないだろ・・」 「そう、だな・・でも」 生徒会と一般の生徒と関わることは滅多にない だから、転入生が来ようと来まいと 俺たちには関係のないことだった でも―― 「案内此方から用意しろだと。」 資料に「案内は生徒会から1人行かせてくれ」と書かれていた 面倒な話だ 「あー、遊馬でいいだろ」 柳斎が面倒臭そうに言ったのは会計の遊馬五月の名前だった 「遊馬はダメだ。行かせると転入生が危ないだろ」 アイツはダメだ なんでも下半身ユルユルらしいからな 危ないオーラが出過ぎているため、俺でも避ける男だ 転入生が危ないから絶対にダメだ 「なら、一河か」 一河真冬生徒会で書記を勤める男だが・・ 「人見知りの、犬だぞ?」 人見知りして滅多に喋らない奴だ 仕草とか表情が犬っぽいがしつこいので好きではない 犬は好きだけど・・ 「じゃあ、お前しかいないだろ」 「はぁ?なんで俺なんだよ。柳斎が行けばいいだろ」 「俺は忙しい」 全然言い訳になっていないことをいう柳斎 「暇だろ。さっきまで寝てたクセに」 「お前も寝てたから言えねぇだろ」 「俺は寝ていたんじゃない、仮眠だ」 「同じだろ!!いいから、お前行け」 「じゃあ、ジャンケンで勝負だ。負けた方が行く。 いいな?」 「分かった、のろうじゃねぇか」 面白そうに口が斜めに釣り上がる 柳斎と睨み合い 拳を握りしめ気合をいれた
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