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「やっぱさ。お前、ツンデレだよな」
「…は?」
文化祭で使ったテントを片付けてる時に、中村に昨日と同じ事を言われる。
テントの屋根の布は既に取られていて、後は骨組みだけ。
女子たちは鉄板を洗っている。
「井上もそう思わねぇ?」
「何の話?」
「こいつがツンデレって話」
そういえば。
来月は千里の誕生日だ。
親父の話を聞く限り、食器洗いとかばっかしてるらしいからハンドクリームでもあげとこう。
「デレ期、デレ期」
井上がヘラヘラ笑いながらおかしな事を言い出す。
「…何言ってんの」
「今の悠希はツン期じゃなくてデレ期だなって。特に文化祭デレデレだったよな、ヒメちゃんに」
「俺らにはデレ見せない癖によ」
もし絢に見せてるとしても、男に見せてたら気持ち悪いだろ。
「この前のデレ期は春だっからな。半年間隔か?」
「デレて無いし」
俺の言葉を聞いて井上はチッチッチッと舌を鳴らす。
「バイトの時にヒメちゃんの話を俺は聞いた」
「……お前が言わせたんだろうが」
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