俺の文化祭③

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財布から二人分のお金を出して、絢を起こす。 「…んー……」 うっすら目を開ける。 「帰るぞ」 「もう、そんな時間?」 「いや、まだ九時。でも、絢酔ってるし」 目を擦りながら、むくりと起きる。 またカーディガンの肩が落ちてる。 それを直して、膝にかけておいたジャケットを絢に着させる。 カーディガンは薄いから、外に出たら多分寒いから。 「俺ら帰るな。金、ここに置いておくから」 「もう帰んの?」 「絢も酔ってるし。早めに帰る事にした」 「ごめんね、みんな…」 酔いはまだ冷めてないから、素の口調で三人に謝る。 そんな絢にまた三人はぽかんと口を開ける。 まだこの絢に慣れてないらしい。 「じゃあ、また明日」 「ばいばい。おやすみ」 絢の手を引いて席を離れた時に視界の端に入った中村の顔。 …赤くなりすぎだろ。 繋いでる手に力が入る。
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