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「ゆーき?」
店を出たら絢が俺を呼ぶ。
「今日、どうすんの」
「……家に帰る。ふらふらするし」
珍しく控えめな絢。
普段の俺だったらそのまま家に送る。
でも、今の俺は違う言葉が欲しかった。
「……。帰んの?」
「え?」
また手に力を込める。
頭にさっきの中村の顔がちらつく。
それ以外にも、コンテストの時に舞台から見た奴らの顔も。
「…俺ん家来いよ」
今まで言った事の無い言葉を絢に言う。
絢も初めて言われた言葉に目を丸くしている。
「ど、どうしたのゆーき。酔ってる?」
「酔ってない」
わたわた慌てふためいている絢を抱きしめる。
公共の場とか関係無しに。
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