俺の文化祭③

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「ゆーき?!」 驚き過ぎて酔いが覚めた絢が、俺の胸をバンバン叩く。 そんな動きもさせないように、背中に回す腕に力を込める。 「…ゆー、き?」 いつもと違う俺を不思議に思った絢は、腕の中で見上げる。 「………俺の本当の気持ち、聞きたいんだろ?」 コンテストの舞台裏と同じ言葉を言う。 ピクリと絢の肩が跳ねる。 「…もう限界。他の男に可愛い顔すんなよ」 「かっ、かわっ?!!」 「今日、俺ん家来て。少しでも俺と一緒にいて」 「………あ…。は、い」 一度も使われた事無い敬語を使われる。 素直に俺の言う通りにしてくれた絢が嬉しくて頬が緩む。 「っ」 絢が顔を赤くする。 「……ゆーきもその顔、絢以外にしないで」 「どんな顔か分かんないし」 クスリと笑って、絢を離す。 「じゃあ、行こ」 「うんっ」 飛びつくように俺の腕に絡んでくる絢の腕。 いつもならため息をついて仕方無くそのままでいるけど、今日はこんなのが幸せに思えた。
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