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「…………」
無言で歩く俺の隣で、今にもスキップしそうな絢。
「何でそんな嬉しそうなの?」
中村同様、テンションがいつもより高い絢を不思議に思った。
「昨日、悠希甘えてくれたから。私、嬉しくて」
「忘れろよ、それ」
「無理よ無理。それに、昨日は悠希の本当の気持ちがたくさん聞けたしね」
手で口を隠しながら、クスクス笑う。
口調は外だけど、顔は素の絢。
絢から手を絡めてくる。
そして、背伸びをして俺の頬にキスをする。
「絢の彼氏になってくれてありがと」
絢がそう耳元で呟いた時。
――パシャッ
控えめな音が聞こえた。
いくつも。
「…うっわ」
文化祭前状態になっていた。
またもや俺らは、見守ってる方々にとっては嬉しい物を見せたらしい。
全員が微笑んでいた。
菩薩のように。
この写真がまたTwi○terで出回ったのは、言うまでも無い。
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