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「沙良、わたあめ好きだっただろ。食べる?」
「たべる!わたあめっ」
元気よく言って、俺の首元に抱きつく沙良。
沙良の金に近い髪が首元をくすぐる。
「………」
「三歳児に嫉妬?」
「…まさか」
隣に少しふざけて聞いたら、真面目なトーンで返ってきた。
こりゃ、相当だな。
嫉妬されないよりかは、される方が嬉しい。
でも、男友達や三歳児までに嫉妬するとは思わなかった。
「ゆーくん。だぁれ?」
今まで黙っていた沙良が口を開く。
目は絢しか見ていない。
「初めまして。姫野絢です。よろしくね、沙良ちゃん」
頭を撫でながら、にっこり笑顔で笑っている。
何か、変な事を企んでそうな顔だった。
「………」
ポカンと口を開けて、絢を見ている。
「お姫様っ!!」
急に大声をあげたと思ったら、俺の腕から抜けて絢の腕の中にいってしまった。
……何か、ひと波乱が起こりそうな予感がした。
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