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ギッコギッコギッコ
優「ねぇー、もっと早く漕いでよぉ~~(笑)」
翔「自転車ならゆっくり行ってもギリギリ間に合うからいいだろ?」
翔は溜め息をつきながら後ろに乗っている私に言った
私のずるい提案で、お母さんが許可すればまた翔の家で暮らすことになった
翔は相変わらず優しい
私の甘えに面倒そうな素振りを見せていても最後は笑って受け止めてくれる
本当に3年生で離れたのが惜しかった
優(翔に悪い虫がつかないように私が頑張ろう… )
そんなことを思いながら私は翔の服を強く掴んだ
翔「んっ?どうした?」
優「別にぃ~~(笑)」
私が明るい声で返事をするとフッと笑みを浮かべる翔
そんな翔を見て私もにっこりと笑顔を見せた
翔「優……」
優「ん?なに?」
翔「……幸せだな」
優「……うん、幸せだね(笑)」
何気ない、他の人からしたら何ともない日々でも
私たちからしたら宝物だった
私たちだけでなく他のみんなも幸せな日々
充実した日々を過ごす中で
こんな日々がずっと続くといいなって思った
でも…………
恋の風は…………
冷たく悲しく、残酷な吹き方をして
突然私たちを襲い掛かった
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