~恋風が吹く場所~

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慧は俺たちの前に立って両手を広げて続けた 慧「張っちゃいましたー! この空間にバリア張っちゃいましたーー!!(笑)」 舞「もぉーー! 邪魔しないでよ慧ぇ!」 舞姫は両手を前後にジタバタさせて言った そんな舞姫の姿が可愛くて少しドキッとした 慧「もういいじゃん!ね!? 私は別に遊ぼうなんて言ってないよ? ここで勉強すればいいじゃん(笑)」 修「えぇーーーー!!!!」 修司はかなりがっかりした表情を浮かべていた しかし…… 慧「文句あるの?」 修「いえ、ありません」 修司は一瞬で正座をして参考書を手に取り読み始めた 翔(今の慧怖っ………… これには流石の舞姫も折れるんじゃ…………) そんなことを思っている俺の読みは…… 甘かった 舞「勝手にやれば? 私と翔はもう行くから」 翔「えっ?」 これで折れたと思っている俺は意外過ぎて思わず口に出してしまった すかさず舞姫はプゥーッと頬を膨らませて俺を見る 舞「なに?」 翔「い、いや別に(汗)」 俺は左頬を掻きながら一歩舞姫から離れた 舞「分かった? 私たちはもう行くから、そこどいて このおせっかい!せっかち!出たがり!泣き虫!怒りんぼ!」 翔(舞姫……初めてじゃないか? こんなに文句言ったの……) そんなことをのんきに思っている俺と、怒っている舞姫はこの先に何があるなんて知る由もなかった 唯一、どうなるかを知っていたのは…… 修(あーあ…… 舞姫、終わったな) 修司だけだった
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