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翔「もう知ってんのか……」
俺は溜め息をついて言った
明「今のニノ君を見たら……
優香は何て言うんだろうね」
明日香の言葉を聞いて、我慢できるほど
俺は大人ではなかった
翔「そんなの俺が聞きたいよ!
優を失って辛いのが自分たちだけだと思うなよ!!
あの場にいて……優が刺される時に隣にいて、助けてやれなかった……
にも関わらず、優は最後の時間さえも俺に使ってくれた……幽霊になってまで俺を見守ってくれた…………
そんな優が今の俺をどう思っているかなんて、俺が1番聞きたいに決まってんだろ!!」
俺は無我夢中になって叫んだ
ファミレスにいる人が全員こちらを向くほどに……
静「今の自分がどうなのか知りたいってことは、ニノ……お前今の自分が正しいのかも分かってねぇんだよ」
翔「…………」
黙っている俺に静は続けた
静「行動は偽りで誤魔化せる
でもな、気持ちは責任感で誤魔化せてねぇんだよ……
言ってみろよ、お前が何をしたいか……
何を望んでんのか………………」
翔「………………」
俺は何も言えなかった
何かを言うと、何でも跳ね返されそうで言えなかった
そんな俺の姿を見て拓は立ち上がった
拓「ニノ……やるぞ」
翔「やるって……何を?」
拓「バスケに決まってんだろ
10本中、1本でも俺を止めたら俺たちは帰ろう
でも止められなかったら…………
桜央に戻ってもらう」
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