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「…じゃあ俺がヨシ。トモがテルな。」
「おっけー。」
今、二人は別々の扉の前に立っていた。
ヒロは形式的なノックを行い、ドアノブを回して中へと入る。
薄暗い部屋でまず目をやるのは部屋の隅に綺麗に並べられたフィギュアの棚。
そして何やらごちゃごちゃとしているテーブルの上のパソコン。
様々なゲーム機器が納められているテレビの下。
ヒロはそれらに一旦目をやった後、ベッドの上の膨らんだ箇所を軽く殴りながら声をかける。
「おい。ヨシ!さっさと起きろ!!もう7時回ってるぞ!!」
「……ふぅ……うん……。あと………24時間…。」
「明日になるだろーがっ!!!」
「…じゃあ…明日になったら起こして……。」
「…永眠してろっ!!!」
ゴッ!!!
「くぴゃっ!!」
叫びながら足を振り上げて膨らんだ箇所に叩き付ける。
それと同時に少し危ない音がしたかと思ったら奇妙な鳴き声がした。
「いったいなぁ…。あ、ヒロ兄おはよう。」
「おはよう愚弟。取り合えず死に晒せ。」
ベッドから腹部を抑えながら細身の青年が起き上がる。
短髪に気だるそうな表情。細身の体躯はあまり運動を得意としてないことがよくわかる。
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