怪盗ゴッコ

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~大富豪の敷地内へ侵入~ A「D、聞こえるか」 D「……聞こえている」 A「『アンタクティック・コンティネント』が住む豪邸『サンシャイン』の前に到着した。『サンシャイン』の情報を教えてくれ」 D「豪邸『サンシャイン』。住人、『アンタクティック・コンティネント』」 C「それは知っているよ」 D「豪邸建設敷地面積、約九〇〇平方メートル。庭やその周りを囲む塀まで含めると、敷地面積、約二五〇〇平方メートル」 C「……め、めちゃくちゃ広い!」 B「いや、豪邸として考えると、そこまで広い方ではないだろ」 D「それから、豪邸内に控える警備員の数は四十とやや少なめ。だが、防犯設備は発表されるたび最新のものを導入しているとのこと。また、過去に活躍した元警察犬を集め、庭に放し飼いにされているとの噂」 A「了解、理解した。次に、これから『アンタクティック・コンティネント』の敷地内へ侵入しようと思うので、その侵入に必要だと思われる情報。それと、俺たちが侵入するための指示をくれ」 D「了解。では、まず敷地への通常出入口について説明する。豪邸の敷地内への入り口は、正面に設置された大門一つであり、鋼鉄製で格子状の両開き。縦、五メートル。横、両扉合わせて四メートルとなっている。格子状の鉄の棒一本ごとの太さは直径5センチで、門の端の縁となっているところの鉄の棒は直径八センチ。また、門同士の接着部には、真ん中に穴の開いた鉄の板が敷地側に向かうようにして、各扉一枚ずつ飛び出しており、その穴二つに直径六センチメートルの長い鉄の棒を通すことで、門の開閉を封鎖するようになっている。それと、門の上部に、防犯カメラが二台設置されている」 C「もうこれ以上は、設定が頭に入らないよぉ……」 A「その直径6センチメートルの鉄の棒は、敷地の外から、格子状の鉄の棒の間に手を通すことで、動かすことは出来るのか?」 D「通常ならばそれができるかもしれないが、『アンタクティック・コンティネント』氏は用心のため、その開閉封鎖用の棒の側面に穴を開けており、扉についた二つの鉄の板の穴と、棒の側面の穴を合わせて、そこを南京錠で固定させ、棒を動かないようにしている」
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