0人が本棚に入れています
本棚に追加
~予告状~
A「とりあえず、侵入する前に、予告状を書こう」
C「A。予告状なんて、いるの?」
A「予告状は、いる。だって予告状もなしに侵入したら、怪盗じゃなくて泥棒になるから」
C「なんで泥棒だったらダメなの?」
A「『泥棒』だったら、なんだか小悪党っぽくて、意地汚いようなイメージがあるだろ? それに比べて、『怪盗』だったら、悪者は悪者でも、どこか紳士的なイメージから。言うならば、脇役的キャラと、ダークヒーローみたいな違いだな」
C「ふ~ん」
B「怪盗も泥棒だけどな」
A「B、うるさい」
B「おれのツッコミを全部『うるさい』の一言で返すなァァあああっ!」
A・C「「B、やっぱりうるさい」」
B「…………すいません」
A「それから、もう役に入っているんだから、BとCは俺をリーダーと呼ぶように!」
B・C「「了解!」」
A「それで、予告状に記入する文章は、どうする?」
C「う~ん……」
――――宝を盗んだ、どうしても返してほしければ、すぐに一千万円用意しろっ!――――
C「……とか、どうかな?」
B「ツッコミどころが多すぎるが、とりあえず――――どこの誘拐脅迫文だよっ! 怪盗は普通、盗んだ宝は返さないからなっ! それに、まず、何の予告にもなってないからなっ!」
D「あと、宝石類で一千万円代のものは、価値がそこまで高くない方」
C「じゃあ……」
――――宝はありがたく頂戴した――――
C「……とか?」
B「だから、なぜ予告文の内容が盗んだ後のことなっているんだよ! 予告状は物を盗む前に出しておかないと、予告にならないからなっ!」
C「……あ、そっか」
B「いや、普通は気が付くだろ……」
最初のコメントを投稿しよう!