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周りの民衆の目が突き刺さる中、私はジャンヌさんに手を引かれてジャスティの中心に聳え立つ、ジャンヌさんが住む塔まで歩みを進めた。
「それじゃあ、これに乗って。」
少し大きめの鉄格子のような箱がジャンヌさんの指差した方向にあり、それはガラガラと金属音を立てながら開いた。
「これはね、重力魔法って言うのがかかっているんだ。自動的に上に上ったり、下に下がったり出来るんだよ。」
「へぇ…。」
ジャンヌさんは笑顔でそう説明してくれた。私はそれを聞きながら、今までよりもずっと高い場所から自分の育った街を見て、目を輝かせていた。今まで自分がいたであろう細い通りや、いつも盗みを働いていたお店のある広い通り…。
「あ、着いたよ。」
ガシャンと大きな衝撃と共にジャンヌさんはそう言った。
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