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「ただいま。ちゃんと待っていたかい?」
数え切れないほどの数の本が、天井ギリギリまで伸びる本棚に収納され、部屋の真ん中にはガラステーブルと、黒いふかふかのソファがある。
所々見える壁は白く、床には赤いカーペットが敷き詰められていた。
そして、部屋の奥で本を読む男の子が一人いた。
「お帰りなさい!ちゃんと魔法の本を読んでいたよ!」
「そうか。偉いね。」
「ねぇ、後ろにいる子は誰?」
男の子は不思議そうに私を見た。
私は、思わず一歩下がってしまう。
「あぁそうだった。…とは言っても、まだ名前を聞いていなかったね。君の名前はなんていうんだい?」
ジャンヌさんはそっと私の背中に手を当てて、丁度自分の隣に来るように私を歩かせた。そして、ゆっくりと答える。
「レイ…です。」
「そうか、言い名前だね。」
ジャンヌさんは笑みを浮かべながらそう言った。
「レイ、紹介しよう。この子はアル・メニアだ。」
「よろしくね、レイさん!」
「よ、よろしく…。」
アル・メニアと紹介された男の子は真っ黒な髪を揺らしてにっこりと笑った。
服装はよく町で見かけたオード色の服に薄いベージュのズボンで、普通の少年だ。
だけど、私は成長するにつれて彼に大きな影響を与えられる事になる。
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