ホワイトソース

5/5
前へ
/67ページ
次へ
 冷たい視線をくれる先生。  負けじと睨むあたし。  セーラー服から離れたスカーフは、静かにあたしの首に絡みついた。 「分からず屋は」  先生の、涼しげな声。 「嫌いだよ」  いつも残酷な、愛しい声。  スカーフで絞め上げられる。  右足を壁につけたまま、あたしは喉元に手をやり、天を仰ぎ見た。  息が出来なくて、スカーフを掻きむしる。喉を引っかいてしまい、痛みが走った。  ――先生、あのね。  それでも、大好き。  なんです。  
/67ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加