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少女を裏切った男の声だ。
振り返ろうとしたその時、パールヴァティの背中に何かが直撃、撃たれたのだ。
激しい衝撃とけたたましい音が操縦席の少女を見舞う。
「くっ……!」
ビー・ビー・ビー……
そこへ、サイドモニターに横から、光弾が飛んでくるのが映された。
少女はパールヴァティの頭部をひねり、かわす。
光弾はパールヴァティのすぐそばにあった樹木を木っ端微塵にした。
背中に攻撃されたせいか、パールヴァティは地面に片膝をついた。
――あの人は本気ですわ、甘く見ていましたわね。
『足が止まった。このまま包囲しろ。』
『了解。』
敵の技術士、裏切り者の声が聞こえた。
五機の鉄巨神は、剣や銃など手持ちの武器を構え、パールヴァティに迫ってくる。
少女は敵の放つ剥き出しの殺気が、自分に吹き付けて来るのを感じた。
「どうやら……」
少女が唇を噛む。
「・・・どうやら、私は怒ったみたいです。」
少女は操縦席の中で叫んだ。
「いいでしょう、このケンガミネ・ニヤが本気で相手します!!」
彼女は再び機体を立ち上がらせた。
――もう一度、パールヴァティの加速力を使って全滅まで追い込みさせていただきます。
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