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『うわっ!?コイツ、俺の腕を!!』
『落ち着け、別にお前自身の腕じゃないだろ!』
敵機の腕を切り飛ばしたニヤは刃を閃かせ、パールヴァティの足腰に絡むワイヤーを切りほどいた。
『下がりなさい。私が彼女の相手をします。』
『タラン大佐……了解です。』
敵機が下がるなか、一体の鉄巨神がパールヴァティの前に踏み出てきた。
黄色と黒の二色でペイントされた、兵士が乗るアルタイルより一回り細い鉄巨神が現れた。
『・・・鉄巨神アトポス。………!』
空中に何かが月光に反射してきらめくのを目で捉えたニヤがパールヴァティを右に半転させると、何か、いやモニターの画面を拡大させると、ワイヤーが先程パールヴァティがいた地面を削り取るのが見えた。
――厄介な武器ですわ。
距離を取るのが一番と考えたニヤがパールヴァティを後ろに跳躍させたが――
不意に、ニヤは機体が地面に着地せず自分の体が下に向かって引っ張られていることに気づいた。
パールヴァティは仰向けに落下している。
「し、しまった…」
敵機アトポスに気を取られ、後ろが崖になっていることに気づかなかったのだ。
――私としたことが!
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