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先頭の一機は周囲を見下すように見渡していたが、不意に俺のいる方に顔を向けた。
鉄巨神の頭部、顔にあたる部分にある二つ目が、煌めきを帯びる。
――マジかよ。
それを見た瞬間、俺は鉄巨神の中にいる、姿の見えない技術士の放つ殺気を感じ取った……気がする。
――間違いなく、こっちに来てるよなこりゃあ。
予感は的中した。
敵の鉄巨神は左右それぞれの手に装備した鉄爪を構え直すと、俺がいる方を目指してまっしぐらに走ってきた。
「あり得ねぇな…」
『どけゼノ、邪魔だ!』
「おわっ!?」
背後から聞こえてきたバノンの怒声に驚き、俺は反射的に横に飛び退き、近くにあった岩の陰に身を寄せた。
バノンは機体の背中に取り付けてあった槍を抜き出し構え、走り出す。
二機はたちまち距離を詰める。
敵の機体がバノンの機体に向かって鉄爪による初太刀を斬りかかってきた。
バノンは槍の柄の部分をかざし、これを受け流し穂先を突き出すが、敵は身を引いてかわした。
そして再び衝突。
金属と金属のぶつかり合う激しい音が響き渡った。
『つ、強い……こいつ、エミネムじゃないのか!?』
バノンの驚いた声が耳に入ってきたのだが、俺には政治がわからないので言葉の重要性が理解できなかった。
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