プロローグ

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その日も俺はいつものようにバイト雑誌をめくりながらこれから何をして生きていこうかと「カナリア」でコーヒーを飲みながら時間を潰していた。 マユミはフロアーで忙しそうに働いている。 マユミがテーブルの上の食器類を片付けていると、隣の席に座っていたチンピラ風のおっさんがマユミにカラミ始めた。 おっさんは猥褻な下ネタを連発しマユミをからかっていた。 マユミはおっさんをまともに相手にせず、軽く流してかわしていたが、悪乗りしたおっさんはマユミの尻を嘗めるように触った。 次の瞬間、マユミはもっていたグラスをおっさんの頭に叩きつけた。 そして、おっさんの顔面に何発も殴りつけた。 あわてて他の店員がマユミを止めに来たが、マユミはバイト仲間の静止を振り切りおっさんが気を失うまで殴り続けた。 俺はその一部始終を見ていた。 翌日から「カナリア」でマユミの姿を見ることはなかった。 当然、マユミはクビになっていた。 相手が酷く酔っていた事と、周りにいた客がおっさんの悪態ぶりを証言した事でマユミは立件されなかったが、一歩間違えればりっぱな傷害事件になっていた。
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