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「お前なんで酒なんて呑まされてんだよ?」
しばらく私と視線を絡ませてた功平が力無くそうポツリと呟き優しく頬を撫でる。
『……ごめん』
「なんで謝る? 謝らなきゃいけない事でもあんのか?」
さっきからなんなんだよ。とクシャッと自分の髪を掴む功平から私は視線を逸らした……
謝らなきゃいけない事。 ……あるよ、本当は。
私、嘘ばかりついてる……今までの事全部功平に知られたくなくて隠して。 今更ながらに過去を後悔してる……
絶対後悔なんてする日は来ないと思って自分勝手に生きてきたけど、違った……
どうやって償って、どうやって前に進むのか、自分を変える方法がわからない……
全部話せば楽になる? 素直になれば受け入れて貰える?
そんな都合がいい夢物語も信じてない。
”ごめん、無理だ” そう言われるに決まってる。
「なあ美優、俺たち…」
『っ!』
黙って俯く私に突然何かを言いかけた功平に驚きその言葉を遮るようにして強引に唇を重ねた。 離されないように功平のワイシャツとネクタイを死ぬほど掴んで。
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