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午前中は予備校で大嫌いな英語の勉強。
予備校は学校とは違って始終ピリピリしたムードの中授業が行われる。
だから終わりのチャイムがなると美穂は思わず大きく息を吐いた。
後は真由美に付き合って古典を受けて、
「美穂! 一緒にランチして!!」
そこにはメイもいたりする。
「そっか、メイはお昼からも授業だっけ?」
美穂がそう確認すればコクコクと頷くメイ。
「美穂も数学受けようよー」
「数学はいいよ。あたしの場合重要科目じゃないし」
「ってか、メイは理系なんだ」
そんな真由美のセリフにメイはじとっとした視線で二人を見た。
「だって、アキが受ける学部を受けたいもん」
「って、どこ?」
「理学部」
そんな答えに二人して「げっ」と悲鳴にも似た声をあげた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「そもそもなんで理学部?」
端的な真由美の質問に美穂も「だよね」と同意しながらパスタをフォークに絡めた。
「んとね、理系の先生が少ないから何かあったとき役に立てるとか」
「ん? 藤井君って教師になりたいの?」
素朴な美穂の質問にメイはフルフルと首を振る。
「言ってなかったっけ? アキの家って予備校経営してんの、中高校受験専門だけど」
なんてサラリと明かされる事実に、
「えぇ――!?」
またまた二人して驚きの声を上げた。
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