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真由美は結局、
「予備校のほうが涼しいし」
という理由でメイに付き合って、
「あー、暑い!」
美穂は一人暑い日差しの中、学校に向かって歩いてた。
着替えて体育館に入ったときにはすでに部員たちは活動中。
「あ、真咲先輩! よかったあ!!」
なんて後輩マネージャー木村の声に、美穂は「ん?」と首を傾げた。
「洗濯が追いつかなくて、それにドリンクの粉が足りないしゼッケンがほつれてるって言われて、それからストップウォッチが一個壊れてて、あとは――」
「うん、落ち着いて。取りあえずゼッケンは後回し。タオルは足りる? ストップウォッチは確か電池が切れてるだけだから。一番必要なのはドリンクだね」
ポンと肩を叩くと木村も少し落ち着いて、
「なんか、ダメですね」
なんて苦笑する。
「最初はあたしだってそんな感じだったよ。大丈夫、ドリンクはあたしが買いに行くからタオルを用意してあげて。ドリンクも作れるだけ作ってね」
美穂はそう言うと、また彼女の肩をポンとと叩いて歩き出した。
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