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「巫御君のとこ、惜しかったね」
「ん?」
「準決勝まで進んだのに」
本当にそう思ったからそう言ったのに、
「惜しくなんてないよ」
巫御はサラリとそう返す。
「優勝しなきゃ初戦敗退も準決勝敗退も変わんないでしょ?」
確かにそうなのだけど、美穂はそんな巫御の考えに苦笑した。
「俺、変なこと言った?」
「ううん、ただ……」
「なに?」
「その考え、鳴海先輩に似てるなって思っただけ」
「俺に、似てる?」
突然、割り込んでくる声に二人して「え?」と声をあげて振り返った。
そこには、
「ちょっとだけ、この状況に拗ねてもいい?」
少しだけ不機嫌そうな顔をした凌がいた。
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