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二人の目の前には完全に停止して洗濯機。
ボタンを押しても動かないし、アナログ式に軽く叩いてもダメ。
「……動かない、ね」
「ですよね!?」
今にも泣いてしまいそうな後輩の前で美穂は小さくため息をつく。
これは学校の備品でバスケ部だけが使ってる訳じゃない。
他の部も使ってるし――。
「早く代わって貰えませんか? うちも使いたいんですよね」
「あ――」
そう声をかけてきたのは、
「泉、さん」
女バスで、凌のいとこの泉美乃里。
その顔は思いっきり不機嫌そうで彼女の手には沢山の洗濯物があった。
「まだですか? うちはマネージャーとか居ないから一年で当番制なんです。練習する時間を削らないといけないから早く退いて貰えると助かるんですけど?」
彼女のイライラはすごくよく分かる。だけど、
「仕方ないでしょ? 壊れちゃったんだから」
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