1776人が本棚に入れています
本棚に追加
ひとまず顧問の田辺に、
「……と、いうことなんで」
「……」
「直してください」
「俺が?」
彼の顔にはすでに「面倒」の文字が見えるほど。そんな顧問にため息の一つも落としたいところをぐっと我慢して、
「修理を頼めばいいでしょ? 先生に直せるとは思ってません」
そう美穂が言えば田辺は少し驚いた顔を見せた。
「……お前、意外に毒舌な? 手塚に似てきたんじゃ」
「いいからさっさと電話する!」
「……はい」
やっぱり似てる。
そう確信しながら田辺は目の前にある受話器を手にした。
これで壊れた洗濯機はなんとかなるだろう。
問題は、
「これよね……」
勢いで受け取っちゃった女バスの洗濯物。
「なんか、ツイてないなぁ」
と美穂はため息を落としながら、洗濯物を抱えた。
最初のコメントを投稿しよう!