君伝3…4章 キスで繋いで

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ひとまず顧問の田辺に、 「……と、いうことなんで」 「……」 「直してください」 「俺が?」 彼の顔にはすでに「面倒」の文字が見えるほど。そんな顧問にため息の一つも落としたいところをぐっと我慢して、 「修理を頼めばいいでしょ? 先生に直せるとは思ってません」 そう美穂が言えば田辺は少し驚いた顔を見せた。 「……お前、意外に毒舌な? 手塚に似てきたんじゃ」 「いいからさっさと電話する!」 「……はい」 やっぱり似てる。 そう確信しながら田辺は目の前にある受話器を手にした。 これで壊れた洗濯機はなんとかなるだろう。 問題は、 「これよね……」 勢いで受け取っちゃった女バスの洗濯物。 「なんか、ツイてないなぁ」 と美穂はため息を落としながら、洗濯物を抱えた。
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