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スポーツバッグに入れるのは、Tシャツに短パン、タオルにそして彼女とお揃いのバッシュ。
「怪我しないように気をつけてね? 絆創膏持ってく?」
「あのね、母さん。バスケしに行くんだから絆創膏はないでしょ?」
「あ、サロンパスのほうがいい?」
「要らないよ」
「そう? ママ心配だわ。凌ちゃんがバスケ上手なのは知ってるけど、いきなりオリンピックだなんて」
「まだ決まってないよ」
「ううん! だって凌ちゃんだもの、絶対に受かっちゃうわ!! 出来ればママも着いていきたいんだけど……」
「ダメだよ。もし受からなかったら、倒れちゃうでしょ?」
「そんなことっ」
「うん、出来るだけ頑張るから。行って来ます」
凌はユリの言葉を遮って玄関のドアをくぐった。
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