君伝3…4章 キスで繋いで

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「誰に教えてもらった? バスケ」 「うーん、学校の授業?」 「面白いこと言うね、お前」 「高校の顧問はバスケのルールも知らなかったから、ね?」 同意を得るように琢磨に視線を送れば「だったな」と同調してくれる。 「なら、そのバスケセンスは独自のものだって?」 「さあ? ビデオとか衛星放送は見てたけど。それで、思い出した。坂口さんって2年ほど前のインカレで優勝した人ですね」 そう言うと坂口は「当たり」とえくぼを窪ませて笑った。 「っつか、今はアメリカだって?」 「だって本番でしょ?」 「言うね」 クスクス笑う坂口だけど、凌は気に止めること無く服を着始める。 濡れた髪を無造作に拭いて、着ていた服をカバンに片付けて、 「鳴海君、少しいいかな?」 タイミングよく高杉コーチの声が飛んできた。
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