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「結構、クセモノ揃いだね」
「お前が言うな」
琢磨に言われて少し首を傾げる。
「琢磨のことは言ってないよ?」
「当たり前。俺はどこまでも真っ直ぐだっつーの!」
なんて話しながら帰り道を歩く。
「ってか、沢村も上京してたとはね」
「顔も覚えてなかっただろうが」
「男の顔をいつまでも覚えてるなんて意味なくない?」
「……お前らしいな」
呆れるでもなく、納得する琢磨はどこまでも彼を理解してる。
だからこそ、
「坂口さんのことは覚えてたのはどうしてだ?」
そんなことがちょっとだけ不思議だったり。
「ん? あぁ、テレビで見て彼のプレースタイル好きだなって。言っておくけど恋愛感情はないから」
「あったらびっくりだ」
「だよね」
「ってか、あの人の前であんま、アメリカとか言うなよ」
「どうして?」
意味が分からないから素直に聞けば琢磨は、少し辺りを見回した人の居ないことを確かめた。
「怪我で行けなかったんだよ、あの人」
小さな声でそう言うと凌も、
「そう……」
と小さく返した。
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