死の星

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「た、大変です!団長!」  団長達とは別のルートで集落を見ていた団員の三人が駆けつけてきた。宇宙服越しではあるが、顔面蒼白であるのが声の調子からして分かる。 「どうした?」 「い、今、民家をちょっと、覗いてみたのですが・・・。そ、そこで、子供と思われる生命体が・・・」 「生命体がどうした?」 「し、死んでいるのです!」  それは、思いもしなかった報告だった。  報告を受けた団長達が民家を覗き見ると、確かに中に人間の子供と思われる、この星の生命体が倒れていた。外傷はなく、自然に倒れたと思われる。 「君!大丈夫か!返事をしなさい」  こういう場合は、規則がどうとか言っている時ではない。駆けつけ、呼びかける。だが、子供は返事をすることなく、グッタリとしていた。持ち込んできた簡易の医療器具で調べてみたものの、脈拍や心拍数は低下していく一方だった。  助けなければという考えもあったが、相手はこの星の住民である。地球人は身体の構造が違うのだ。どのように対処したらいいのか、皆目検討もつかないし、手を出せば返って死を早めてしまう。  手が付けられず、呼びかけるのが精一杯だった。 「いったい、何があったのでしょう?」 「分からない。とにかく、この家をもう少し調べてみよう。何か分かるかもしれない」  死体を目の前にして、偉そうにしていた団長も戸惑っているようだった。団員達は分かれて家の中を調べてみた。もっとも、そんなに広い家ではないので、すぐに調査は終わる。 「ダメです。隣の部屋からも死体が見つかりました」  団員がそう言って指差すと、寝室と思われる部屋のベッドに男女が二人、眠るようにして死んでいた。最初に見つけた子供の親なのだろうか。同じ家で、家族がまるまる死んでいたということになる。  不安になった彼らは急いで、他の民家も調べることにした。  どこの民家も同じ状況であった。  死体は当たり前であるかのように、どの民家にも転がっていた。上は年老いた老人から、下は生まれたばかりの赤ん坊まで。この集落には死体しかないのだ。
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