第2話

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烏は立ち上がり、銀二の膝の上に座る。 そんな烏を後ろから抱き込むように腕を回す銀二は、烏の首もとに顔を埋めた。 擽ったそうに身を捩る烏をますます深く抱き込み、銀二は笑う。 「お前、相変わらず軽いな。しっかり飯を食べてるのか?」 「食べてますよ。食べても増えない体質なんです、俺。」 「そうかぁ?…あ、これは…。」 何かを見つけたのか、銀二は藍色の着流しを少しはだけさせると、一点を見つめた。 そこにあったのは、白い肌によく映える赤い跡。 「また桂さんか?」 「…そうだと思います。」 あの人は朱を散らすのが好きだ。 店に来れば烏のことを座敷に呼び、朝までの時間を共に過ごす。 交わる日もあれば、交わらない日もある。 烏は、そんな桂との時間を思いの外好んでいた。 「しっかり言っておけよ。お前の白い肌が赤くなっちまってからじゃ遅いからな。」 「ははっ…。大丈夫ですよ、その点は配慮して頂いてますんで。」 「だといいが。じゃあ、ほら。邪魔したな、よくおやすみ。」 そう言うと、銀二は着流しを簡単に直し、部屋を出ていった。 烏の頬に甘い口付けを残して .
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