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それから布団に横たわり、しばらく目を瞑っていた烏が、唐突に目を見開いた。
その瞳は銀色に輝き、奇怪な銀髪と同色の瞳は、足音の聞こえる廊下側の襖を見つめる。
「……。」
「よう、不孝鳥。また来てやったぞ。」
闇に溶けた気配がするりと部屋に入り込み、烏の頬を冷たい指先がなぞる。
「……呼べ、烏。俺の名を。」
「誰が、あんたの名なんか…。」
「ふっ…。まぁ、いずれお前は泣いて俺を求めることになる。その時までの辛抱だな。」
その言葉と同時に男に布団に押し倒された。
低い声が鼓膜を揺らし、肌が粟立つ。
何かを囁かれる度に、意味を成さない言葉が吐息と共に漏れ、それすらも烏を興奮させた。
「ははっ、いい反応じゃねぇか。ぞくぞくするぜ…っ」
「…っ、やめっ、んなとこ、触るな…っ」
「言う割に濡れてるけどな、お前のここは。」
そう言っていやらしく触れてくる男の指が僅かに熱を持っていて、あぁ自分で感じているのだと思うと、自然と大胆になってくる。
いやらしく腰を振り、男からの刺激を享受して。
さして堪えることなく自身を解き放つ。
「俺が欲しいと言え、烏。そうすれば、すぐにでもくれてやる。」
「…っ、あんたが、ほし…っ。も、はやく…っ。」
「名を、呼べ。その喉で紡げ、俺の音を。」
そんなことを言われても、烏にはそれが出来なかった。
言葉を紡ぐことが、こんなに怖いものだとは思いたくなくて。
だから烏は自ら男の昂りの上に腰を下ろした。
もう一刻も、我慢できない。
「…っ、そんなに締めるな、烏…っ。」
「あぁっ、きもちいぃ…っ」
烏は己の身体を動かし、孔で男を感じた。
己を穿つ男のそれは、そろそろ限界を訴えている。
「烏…っ。」
あぁ、熱い。
熱い飛沫が内にかかり、烏自身も解き放つ。
「……はぁ…っ」
「……また、呼ばなかったな。次も来るぞ。お前が俺を呼ぶまで、ずっとな。」
そう言ってぐったりとする烏の頬に冷たい口付けを残して、男は部屋から出ていった。
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