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見事に私は失恋した。
おのれ!
「ブツブツ……ブツブツ……」
私は小声で、なぜ私はモテんのだとか、世の中不公平だとか、彼女いるやつ羨ましいぞ等の小言や不満を延々と言いながら歩いていた。
「見てみい、あれ。佐伯さんがまた気持ち悪いことブツブツ言っとるで」
「ほんまに佐伯さんは変人やなー。あんまり近づかんとこ。悪いもんがうつるで」
「ホンマに清美ちゃんはキツいこと言うなあ」
「だってほんまのことやろ!」
会社のパート共、おばさん集団が私をケラケラ笑い飛ばしてきやがった。
クソ!
下品なやつらだ。
「あれ? 佐伯、どうしたんだ?」
おばさん集団が去り、前から歩いてきたのは真崎だ。
こいつは尚也君とかなり仲が良く更にイケメン野郎。
私の妹、鈴華の彼氏でもある人物だ。
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