prologue

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「う…うー…ぇ」 幼稚園のグランドの隅 一本の大きな木の下が彼の定位置 毎日そこに体育座りをして膝に顔を押し付けて 声を押し殺し小さくなって震えてた そんなあなたに 「なかないの!おとこのこでしょっ!」 と怒る男の子と同じくらいの背格好のあたし 腰に手を当てて男の子を見下ろす そんなあたしを見上げる目は赤く涙が溜まっている 「だって…みよちゃん……」 「だってじゃないの!ほらいくよ!」 あなたの右腕を無理やりつかみ立たせて引っ張るように教室へ… あなたを守るのはいつもあたし それが使命というか当たり前って思ってた いつだろ… いつのまにかその役割は無くなっていた
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