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私(わたくし)、ルーチェ・アンジェロは柔らかくて肌触りも良い、愛用のブランケットの中で天父(てんぷ)への祈りを捧げております。
ーー嗚呼、私は入学早々に部屋を間違えたようですから、天父に自分の部屋へ無事に帰れるように祈りを捧げていたのです。
目の前には、赤銅色の長い髪に鋭く涼しい目元の見目麗しい男性が。
彼の水晶のような水色の瞳を見るだけで顔が赤くなります。
「よぉ、昨晩は気持ち良さそうに俺に抱き着いて寝てたなぁ」
「も、申し訳ありません。自室と間違えてしまったようで」
彼の瞳を見るだけで、私が人様を枕変わりにしていた事実を思いだして、どうも恥ずかしくなります。先程から、恥ずかしくてブランケットに顔を埋めたまま、顔を上げる事ができなくて。
「いや、同室のよしみだ。遠慮なく抱き着いて構わないぜ」
その言葉を聞き、驚きいて顔をあげると赤銅色の綺麗な髪が、太陽の光に照らされて輝いていました。
「なぁ、転校生ちゃん。名前を聞いてねぇんだけど」
目の前の男性は、優しく語りかけるように話しかけてくれます。いい人そうで助かりました、きっと天父の導きでしょう。
「ルーチェ・アンジェロと言います。ふつつか者ですが、よろしくお願いしますね」
「あぁ、俺はヴァイツ・ローゼンだ。可愛がってやるよ」
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