輝かしい噂の裏に・・・・・・

2/2
前へ
/2ページ
次へ
私(わたくし)、ルーチェ・アンジェロは柔らかくて肌触りも良い、愛用のブランケットの中で天父(てんぷ)への祈りを捧げております。 ーー嗚呼、私は入学早々に部屋を間違えたようですから、天父に自分の部屋へ無事に帰れるように祈りを捧げていたのです。 目の前には、赤銅色の長い髪に鋭く涼しい目元の見目麗しい男性が。 彼の水晶のような水色の瞳を見るだけで顔が赤くなります。 「よぉ、昨晩は気持ち良さそうに俺に抱き着いて寝てたなぁ」 「も、申し訳ありません。自室と間違えてしまったようで」 彼の瞳を見るだけで、私が人様を枕変わりにしていた事実を思いだして、どうも恥ずかしくなります。先程から、恥ずかしくてブランケットに顔を埋めたまま、顔を上げる事ができなくて。 「いや、同室のよしみだ。遠慮なく抱き着いて構わないぜ」 その言葉を聞き、驚きいて顔をあげると赤銅色の綺麗な髪が、太陽の光に照らされて輝いていました。 「なぁ、転校生ちゃん。名前を聞いてねぇんだけど」 目の前の男性は、優しく語りかけるように話しかけてくれます。いい人そうで助かりました、きっと天父の導きでしょう。 「ルーチェ・アンジェロと言います。ふつつか者ですが、よろしくお願いしますね」 「あぁ、俺はヴァイツ・ローゼンだ。可愛がってやるよ」
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加