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「決めた。」
冷めた目で四人のバカ達を見ていると、ぽつりと会長の声が耳に入ってきた。
なにを決めたんだろうと思ってたら、会長がこっちを向いた。
「お前、生徒会に居座ってくれ。」
「……すいません理解不能です。」
居座るとかなんでだ。
こんなカオスな空間に居座れなんて、俺になんの恨みがあるんだ。
「ばっか、分かってねーな。分かんないか?ここの部屋のカオス具合が。」
「今だけでもそうとうカオスですが。」
「だろ!?こんな部屋で仕事なんて出来るか!?つか、あいつらもバカみたいにはしゃくだけで仕事しなさそうしな。」
なんだろうか、気のせいか?
会長さんのが話し方が砕けてきたというか、だんだんキラキラオーラがなくなってきたというか、なんだか苦労人にしか見えなくなってきた。
というより、マジでオーラが消えた。
「……頼む、ここであいつらをしつけてくれ。」
「…俺はどこの保母さんですか。」
「いいんだ、保母さんじゃなくても。なんでもいい。お前ならあいつらを静かにさせられると思うんだ………。」
どこにそんな根拠があるんだ、そう会長に聞くと、「俺の勘は外れたことが無い」と、断言してきた。
どこからでるんだその自信。
あきれたが、それと同時に同情の念も強くなってきた。
真面目に仕事しようとも、こいつらが居たら仕事にならないだろう。
ツッコみキャラではない俺でもツッコみたくなるぐらいのアホ達だ。
見てるだけで疲れてくるし、とてつもない脱力感と、どうにかしないと的な頭痛が迫ってくる。
これは辛い。
俺は、問題児を背負ってきたんだ。その辛さは一番理解できる。
そして、そんな辛さを学園をよくしようと、皆のために必死に書類などと戦っている生徒会長がくらうんだ。
それを知っておきながら、俺には関係ないですって切るのか?
さすがに、そんなことは出来ない
そしてなにしろ会長に親近感がわきすぎて、見て見ぬふりは無理だ。
俺は、覚悟を決めた。
「……やります。」
「…え?」
「やってやりますよ。どうせ五樹を送り迎えに来たりしないといけませんし。ついでです。」
趣味の時間が減るのは死ぬほど辛いが、仕方ないだろう。
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