第1章 トイレの花子さん

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桜の匂いが薫る四月。 今日から新学期ということもあり、昨日までの朝八時に比べ制服を着た学生が多く、道を歩いていたり自転車を漕いでいる学生がみられる。 その中を小出春義はため息をつきなから歩いていた。 春義はこの春より照樫(てるかし)高校二年生。 見た目は平凡。至って普通。 成績も普通。学年で中間ぐらい。 運動神経も普通。 どこにでもいるような高校生である。 そんな平凡生徒春義のため息の理由は目の前にいる女の子にある。 彼女の名前は坂本愛。 照樫高校三年生で春義よりも一つ年上。 見た目はスタイル抜群。顔も整っていて、かわいい系というよりも美人系である。 成績も優秀。常に学年上位をキープしている。 運動神経も抜群で体育大会ではかなりの活躍をしている。 そんな坂本は勿論学校の中ではマドンナ的存在であり、一日で五人の男子から告白されたという伝説を持っている。 春義はそんな坂本に恋をしていた。 ただ、自分が平凡な人間であるということも分かっているため、その差が壁を作ってしまいため息の原因となってしまうのだ。
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