第1章 トイレの花子さん

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少しの間春義は黒沢を見ていた。 その間に黒沢には誰も近づこうとしなかった。 寧ろ誰が見ても分かるぐらいにみんな避けていた。 大きな声で「こいつと同じクラスかよ」といってる奴もいた。 だが黒沢は全く反応をしない。 まるで一人だけ別世界にいるように感じた。 このまま見ていると自分が苦しくなってしまいそうな感覚を覚えた春義はポケットから携帯を取りだし、特に見たいニュースがあるわけでも やりたいゲームがあるわけでもなかったが携帯の画面に集中した。 出来るだけ黒沢を見ないようにするためだ。 だがなぜか気になってしまいチラッともう一度だけ黒沢を見た。 彼女に変化はない。 でもなぜが黒いオーラが纏っているかのような雰囲気に包まれているように春義には見えてしまったのだった。 春義は慌てて目をそらす。 それと同時に担任の先生が入ってきたのだった。
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