宮沢 葉の頭の中

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手遅れ、と言うには遅過ぎた。 僕は菫と同じ大学に行くはずだった。 菫との約束でもあったのだ。 奇跡と言うのか、何なのか。 幼稚園から高校まで僕と菫は同じクラスで、必ず出席番号も隣で、それを知っている奴らにクラス委員や生徒会などペアで押し付けられていたものだ。 そのたび、「またか」って笑いあっていた。 最早幼なじみや、腐れ縁等では言い表せない僕と菫の関係。 また同じ所に進学して、サークルなんかも入りたいよね……なんて話していたはずなのに。 高校三年生の四月から僕の合格発表後までの約一年間。 その一年間は僕にとって、きっと知らないことだらけだったのだろう。
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