第一章 流されて異世界

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ズシン、ズシン、と。 音は少しずつ近付いてくる。 そして遂に俺たちの前に、"それ"は現れた。 ドラゴン。そう、あの空想、架空上のモンスターと言われる、ドラゴンである。 そいつはいわゆる西洋竜という奴で、二足歩行で背中には羽、口からは今にも火を吹きそうで、全体の色が黒と赤を混ぜたような色だった。 俺も盾川さんもそこから動けない。まだ気付かれてないのだから、このまま通り過ぎていくのを待つのが一番の得策だと思える。 俺たちは息を潜める。 ズシン、ズシン。 ドラゴンは悠然と俺たちの目の前を通り。そして、いきなり俺たちの方を振り向いた。 二人そろってビクッとしてしまう。俺は小声で盾川さんに話しかける。 「なにかあったら逃げよう。いつでも走る準備をしておいて」 盾川さんは俺の言葉にゆっくり頷いて、そして若干中腰になる。そんなことをしている間にも、ドラゴンはゆっくり近付いてくる。そして遂にドラゴンは俺たちの目の前で止まり。 その体が、いきなり凍りついた。 俺も盾川さんも唖然としてしまう。なんだこれは。少し急展開すぎないか?
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