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目が覚めた。
……体が重い。所々痛いし、何より頭が凄く痛い。
痛む体を無理矢理起こし、周りを見渡す。
そこは、見渡す限りの木があった。森。森林。それよりも、樹海と呼べそうな場所。
そして、自分の下には木の葉が積もったみたいな簡易ベッドのようなもの。
俺、九重絆は、そこに寝ていたみたいだ。
あまり直前まで詳しく覚えているわけではないけど、確か俺は高校からの帰っている途中だったはずなのだけど……。
色々思い出すのに唸っていると、ガサ……という、木の葉を踏みしめるような音が聞こえた。
「……ッ!?」
音がした方に顔を向けると、恐らく同じ日本人(日本かもよく分からないところにいるのでアジア系の人と言われたら信じてしまいそうだ)の少女がいた。
「……目が覚めた?」
目の前の少女は、注意していないと聞き取れないような声で聞いてくる。
俺は、改めて目の前の少女をじっくり見直してしまう。
黒い髪は肩の長さで切りそろえられており、顔のパーツはまるで、プロの人形技師が揃えているかのように精巧に整っている。身長は俺より20センチくらいは低そうだ。ちなみに俺は175センチ、彼女は推定150センチ。
そして今彼女は、その眠そうに半開きにしている目で見つめてくる。
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