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ズシン、ズシン、と。
音は少しずつ近付いてくる。
そして遂に俺たちの前に、"それ"は現れた。
ドラゴン。そう、あの空想、架空上のモンスターと言われる、ドラゴンである。
そいつはいわゆる西洋竜という奴で、二足歩行で背中には羽、口からは今にも火を吹きそうで、全体の色が黒と赤を混ぜたような色だった。
俺も盾川さんもそこから動けない。まだ気付かれてないのだから、このまま通り過ぎていくのを待つのが一番の得策だと思える。
俺たちは息を潜める。
ズシン、ズシン。
ドラゴンは悠然と俺たちの目の前を通り。そして、いきなり俺たちの方を振り向いた。
二人そろってビクッとしてしまう。俺は小声で盾川さんに話しかける。
「なにかあったら逃げよう。いつでも走る準備をしておいて」
盾川さんは俺の言葉にゆっくり頷いて、そして若干中腰になる。そんなことをしている間にも、ドラゴンはゆっくり近付いてくる。そして遂にドラゴンは俺たちの目の前で止まり。
その体が、いきなり凍りついた。
俺も盾川さんも唖然としてしまう。なんだこれは。少し急展開すぎないか?
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