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真っ白な空間に俺はいた。
ここは……?
見覚えのないその場所には空も地面も無い。
ただ延々と白の世界が続いていた。
夢なのか?
俺が虚ろに上を仰いでいると液体落ちて来た。
天上から降ってくるものは水では無い。
暖かくて、頬から伝って口に触れると少しの塩気を感じた。
わからない。わからない。
俺は一体どうしたんだ?
それを思った瞬間、何処かで俺は覚醒した。
横たわっている体は鉛のように重い。
上からは水滴が顔にポタポタと垂れてきており少ししょっぱい。
俺は無理して腹筋に力を入れて起き上がると周りを見た。
寝ているところもそうなんだが周りもゴツゴツとした岩で囲まれている。
洞窟なのだろうか?
それにしては明るいな。
ごく微量だが壁が光を放っている。
なんだろうと近づいてみるとそれが石だとわかった。
俺は……ここで何を?
思い出せない。
あの時ハンバーガーの店を発見した時からの記憶がないんだ。
まぁ、いいか。
ってよくねぇよ!
どうやって家に帰るんだよ!
兎にも角にもだ。
ここから出てみないことには何も変わらない。
ならば動いてみるほか無いようだ。
うわ、靴すらねー。
立ち上がると尖った石が足ツボマッサージのごとく俺の足を刺激する。
俺は深いため息と共に歩き出した。
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