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「ごめんねー失礼な奴で」
私の頭を軽く叩きながらそういう瑛莉子。
「いやあ、本当に申し訳ない…」
ごめんなさい、と軽く頭を下げ、ちらりと男性陣の顔色をうかがう。
…うん、さっきも気にしてなさそうに自己紹介してくれたし、本当に私の名前を覚えてない事件のことをなんとも思ってないみたいだ。
あんまり神経質な人がいないみたいで良かったー…。
「…あの、もしかして藍さんてN高でしたか?」
それまでワインを飲んでいたハルキくんが、その彫が深い顔立ちをこちらにむけてそう問う。
…N高といえば、この都内から結構離れている私の地元の高校。
それなのに、ハルキくんが知っているなんて。
…もしかして、ハルキくんも地元民なのかな?
いやでもこんなハーフみたいな人がいたら有名だから、知っているはずなんだけどな…。
「うん、そうだよ!
もしかしてハルキくんも地元あの辺なの?」
「…やっぱり、そうですよね?」
先ほどまでの表情とは打って変わって、真剣なまなざしになるハルキくん。
…え、え、もしかして私とハルキくん知り合いだったりしたかな?
いやでも…こんな顔見たことないし…ていうかむしろ一回見たら忘れない顔だよね…。
うーんうーんと唸っている私に、彼は衝撃的なことを告げた。
「橘速人の元カノ…ですよね?」
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