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そんな少し気まずい雰囲気のなか、携帯の着信音が鳴った。
「あ…私だ。」
着信の表示は、慶と書かれていた。
…慶?
こんな夜に電話なんて…どうしたのかな。
「ごめん、ちょっと。」
そう言って、涼しい店内から、生ぬるい外へと出る。
「もしもし?慶?」
「あ、藍ー?」
なにか緊急の用事かと思ったのに、こののんびりした口調。
でもあの話題から結果的に逃げられる事になったから…電話してきてくれて助かった。
「どうしたの?」
「いや、なんか急に雨降ってきたから迎え行こうと思ってさ。いまどこ?」
「え…」
合コン会場です。
なんて言えるわけない。
幸いこのバーは駅から近いから、その駅に来てもらえばいいか。
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