episode1

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そんな少し気まずい雰囲気のなか、携帯の着信音が鳴った。 「あ…私だ。」 着信の表示は、慶と書かれていた。 …慶? こんな夜に電話なんて…どうしたのかな。 「ごめん、ちょっと。」 そう言って、涼しい店内から、生ぬるい外へと出る。 「もしもし?慶?」 「あ、藍ー?」 なにか緊急の用事かと思ったのに、こののんびりした口調。 でもあの話題から結果的に逃げられる事になったから…電話してきてくれて助かった。 「どうしたの?」 「いや、なんか急に雨降ってきたから迎え行こうと思ってさ。いまどこ?」 「え…」 合コン会場です。 なんて言えるわけない。 幸いこのバーは駅から近いから、その駅に来てもらえばいいか。
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