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「蜜柑、ご飯食べていくでしょ?」
「うん!お兄ちゃんのお手製?」
「あら。私のお節料理になんか文句でもあるのかしら?」
「チッ……まっさかー!」
「ほんと、可愛げがないわね。ゆうちゃん、気を付けなさいよ?昔みたいに子供だから、なんて言ってるとぱっくり喰われちゃうわよ」
「俺だってもう21歳だよ?まさかそんな事する訳ないじゃん!やっだなー、加那ちゃん」
…チッ。先手打たれたか。
「…うん?」
あ、やっぱりお兄ちゃん気付いてない。
ほんと、可愛いよね!この首傾げるのって、お兄ちゃんだからむらむらするよね。大学の女共がしても可愛くないし。
………………そうだ!
「お兄ちゃん、お節料理には日本酒だよね!」
「え?あ、でも俺そんなには…」
「折角俺もお酒飲める年になったんだから、少し付き合ってよ」
「魂胆丸見えね」
「何の事かな!あは!」
お兄ちゃんのお猪口にトクトクと酒を注いで…
あわよくば、酔っ払ったお兄ちゃんを介抱しちゃおう!なんて思ったのに…
「おーほほほ!蜜柑!酒足りないわよ!コンビニ行って買ってらっしゃい!」
…やっぱり加那ちゃんって、母さんと同じ血だよね。
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